名古屋第二赤十字病院 NICU

LIGHTDESIGN REVIEW | 2013.05.27

Photo by Akito Goto

NICU(新生児集中治療室)のあかりを考えました。

早産や重篤な合併症を持って生まれてきた赤ちゃん達にとっては、子宮内に近い、ほどよく暗い環境に居るのが好ましいと考えられています。しかし単に照度の低いだけの光環境は陰鬱な雰囲気となり、高度な医療を行う環境として必ずしも良いとはいえません。そこで、あたらしいNICUのあかりは、赤ちゃんにとって快適でほどよい照度の確保と、スタッフにとっては心理的に明るい印象を得ることを両立させた照明を考えました。赤ちゃんにとってもスタッフにとっても、また面会にいらっしゃるご家族にとっても快適なあかりを用意することで、より高度な医療環境が整備されたと考えています。

Lighting Design Concept: 低照度・明印象環境

コンセプトを具現化するために考案されたのは、特別に設計されたインダイレクトライティングシステムです。院内感染防止の為に、コーブ照明のディテールには、透明カバーで密封するなどの処理をしました。また、内部のLEDユニットは色温度2700K Ra=92というハイスペックのものを特別に開発し設置しています。
天井面のコーブ照明と、鉛直面のコーニス照明によって、明印象環境をつくりながら、赤ちゃんに快適なほどよい照度を設定することができました。

スケッチ:特別に工夫が凝らされた照明ディテール検討スケッチ

 



この施設においては医学的観点から昼夜で光環境を変化させることが求められました。
サーカディアンリズムの考えを応用し、昼夜で穏やかに明るさを変化させますが、夜のシーンでも働くスタッフにとって陰鬱な印象にならないように、シーンの設定は医師や看護師の皆さんの立ち会いのもと、丁寧につくり込みました。また、昼夜のシーンの入れかえは、名古屋地方の日没時間に合わせて毎日変化させています。

デイライトは入らない光環境。左、昼のシーン/右、夜のシーン( Photo by Akito Goto)



名古屋第二赤十字病院NICUは、「赤ちゃん達だけでなく、面会に来られるご家族や働くスタッフにとっても優しい世界一のNICU」を目指して創られました。光も細部に渡りお手伝いをしています。/左から1.2.柔らかなアンビエントライティングに包まれます。/3.スタッフ用トイレにも優しいおもてなしの光があります。/4.面会に来られた小さなこどもたちには光のサプライズが現れます。(左から3枚Photo by Akito Goto / 右Photo by LIGHTDESIGN INC.)




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